PROGRAM プログラム

役者として映画に携わるようになり、次第に自分でも映画を作ってみたいと思いました。
「ランチボックス」の前に、まったく違うテイストの長編の脚本が書きあがり、知り合いの製作部に撮影したい旨を
相談しましたが「制作経験も無しに、この規模をいきなり自主で作るのは厳しいのではないか」と言われ、まずは短編を撮ることを勧められました。
そこで、書き上げた作品が「ランチボックス」です。
本作に出演しているキャスト、中山求一郎、門田宗大、冨田さとしは皆、私の友人です。
彼らは俳優ワークショップや映画を通じて知り合い、本人とその演技を間近で見てとても魅力を感じ、いつか一緒の作品に出演したいと思っていました。
しかし、若手の俳優が同じ現場に入る機会は中々無く、いつ来るかわからない未来を待っていても時間が過ぎていくばかりで、だったらいっそのこと好きな人たちとの作品を自分で作ろうと「ランチボックス」を撮影することに決めました。

この作品は劇的なことは何も起こりません。
実際、私の日常も時が経ったら忘れてしまうような一日ばかりで、劇的な出来事が起こる日はそうそう無かったように思います。
でも、そんな些細な日々の中に忘れたくない出来事が散りばめられているんじゃないかと気が付きました。
疲れた人を癒すほどの効果は無いかもしれませんが、恋人同士のハルとがんちゃんの穏やかな時間を一緒に過ごしていただけたら幸いです。